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いわゆる「健康食品」で本当に健康になれるのか?〔(2)「健康食品」の問題点〕 [食に関する情報]

2)「健康食品」の問題点
  食品安全委員会がとりまとめた「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」が提言した「健康食品」を摂るかどうかを判断するときに考えるべき5つのポイントは次の通りです。

■「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」の5つのポイント
1.「食品」であっても安全とは限りません。
2.多量に摂ると健康を害するリスクが高まります。
3.ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。
4.「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。
5.誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。

~ 食品安全委員会ホームページの「『健康食品』に関する情報」ページより引用。



  さて、消費者庁作成のリーフレット「健康食品5つの問題」を参照すると、5つの問題について次の解説が載っています。

■健康食品5つの問題
1.健康食品で病気が治る?
  錠剤・カプセル状の製品は、薬のように見えますが、「食品」であり、病気を治す効果、防ぐ効果はありません。

2.天然・自然由来のものが原料なら安全?
  天然・自然由来の毒素は無数にあります。天然・自然由来の食品でも、健康食品として使用する場合は、普段の食べ方とは異なるため、食品では予期しないような影響が出ることがあります。

3.専門家の研究結果と同じ効果がある? 
  有効性の試験は特定の条件下で行われています。人が食べた時に必ずしも、誰でも同じ効果が出るとは限りません。

4.体験談は信用できる?  
  体験談は、利用者の感想にすぎません。宣伝のために都合の良い内容のみ編集して掲載されている場合もあります。

5.一時的な体調不良は効果の証拠?
  「好転反応」と呼ばれる、体調が良くなる過程で、一時的に体調が悪くなるような症状が出ることは、健康食品では起こらないとされています。

~ 消費者庁作成リーフレット「健康食品5つの問題」より引用。

具体的な「健康食品」による健康被害、「健康食品」の虚偽表示・誇大表示および経済的被害については、次項〔(3)プエラリア・ミリフィカを原材料に含む「健康食品」による危害多発〕で取り上げます。




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いわゆる「健康食品」で本当に健康になれるのか?〔(1)「健康食品」とは(定義と分類)〕 [食に関する情報]

1)「健康食品」とは(定義と分類)
  食品衛生法、健康増進法および食品表示法を調べても、岩波書店「広辞苑(第6版)」が「健康の維持増進に効果があるとされる食品」と解説している「健康食品」の定義は見当たりません。厚生労働省ホームページの「健康食品」ページを参照すると、次の通り「健康食品の法律上の定義はない」と明記されています。

■「健康食品」の法律上の定義はない
健康食品と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しているものです。そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」があります。~厚生労働省ホームページの「健康食品」ページより引用。下線はwattanaが引いた。

上記の「保健機能食品」とは、国の制度に基づき機能性等を表示することができる食品のことで、「特定保健用食品(トクホ)」、「栄養機能食品」および「機能性表示食品」があります。

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  さて、2015年12月8日に開催された第587回食品安全委員会において、「健康食品」に関する報告書及びメッセージがとりまとめられました。食品安全委員会のホームページに掲載されている「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」を参照すると、対象とした「健康食品」について次の説明が載っています。

■「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」における「健康食品」の定義
「健康食品」という言葉で認識される対象は人によって様々です。医薬品と似た錠剤やカプセルなどの形態のいわゆるサプリメントから、飲料やお菓子、はては野菜などの食材まで多岐にわたります。「健康食品」という用語は、法令上通常の食品として取り扱われるものと、法令上で特定保健用食品(トクホ)等として取り扱われるものとを併せて認識されることが多いようです。今回のメッセージでは、「健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られたりしている食品」を「健康食品」とし、体重を減らす目的の「健康食品」や法令で規定されている保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)等まで幅広く対象にしました。~ ・・・食品安全委員会「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」3ページより引用。下線はwattanaが引いた。
 
  次に、消費者庁が2017年10月2日に発行したリーフレット「健康食品5つの問題」を参照すると、「健康食品」に関して次の説明が載っています。

■健康食品とは?~いくつかの制度による、違いがあります~
私たちが口からとるものは、食品と医薬品(医薬部外品を含む)に分けられます。健康の維持や増進の効果をうたった健康食品は食品に分類されます。  一般的に健康食品とは、健康に良いことをうたった食品全般のことです。それら健康食品は、国の制度に基づき機能性等を表示できる「特定保健用食品(トクホ)」、「栄養機能食品」及び「機能性表示食品」と、それ以外の「その他健康食品」に分けることができます。~ ・・・消費者庁リーフレット「健康食品5つの問題」より引用。下線はwattanaが引いた。


・・・〔(2)「健康食品」の問題点〕へ続く。




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「食品衛生規制の見直しに関する骨子案(食品衛生法等の改正骨子案)」に関する意見募集、2018年2月7日まで [食に関する情報]

厚生労働省は2018年1月19日、「食品衛生規制の見直しに関する骨子案(食品衛生法等の改正骨子案)に関する意見募集を開始しました」と題したトピックスをホームページに掲載しました。

公表された「食品衛生規制の見直しに関する骨子案(食品衛生法等の改正骨子案)」(pdfファイル、4ページ)を参照すると、主な改正内容として次の8つの項目が挙がっています。

 1.広域的な食中毒事案への対策強化
 2.HACCP(ハサップ)による衛生管理の制度化
 3.特別の注意を要する成分等を含む食品による健康被害情報の収集
 4.国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
 5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
 6.食品リコール情報の報告制度の創設
 7.輸入食品の安全性確保・食品輸出関係事務の法定化
 8.その他



さて、「食品衛生規制の見直しに関する骨子案(食品衛生法等の改正骨子案)」に対する意見募集(パブリックコメント募集)の期間は1月19日(金曜日)より2月7日(水曜日、必着)までです。

この意見募集に関する詳細を知りたい方は、厚生労働省ホームページの食品分野のトピックス(2018年1月19日掲載分)をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000191660.html





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「食品営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設」が検討されています。 [食に関する情報]

食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第52条は、公衆衛生に及ぼす影響の大きい飲食店営業、喫茶店営業など34業種について都道府県知事の許可を受けなければならないと定めています。

都道府県知事の食品営業許可が必要な34業種は、食品衛生法施行令(昭和二十八年政令第二百二十九号)第35条(営業の指定)に明記されています。34業種の中で調理業に分類されるのは、飲食店営業と喫茶店営業の2業種です。

飲食店営業:一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフエー、バー、キヤバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいい、次号に該当する営業を除く。 ~食品衛生法施行令より引用した。


喫茶店営業:喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業をいう。 ~ 同上、下線はwattanaが引いたもの。


上記の飲食店営業と喫茶店営業の定義から「喫茶店営業に該当しない調理業は、飲食店営業の許可の取得」が必要となります。

では、次のケースは喫茶店営業(酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業)に該当するのでしょうか? 

s_170101コメダ小坂井店②、アイスコーヒー.JPG
~ アイスコーヒーと豆菓子、珈琲所「コメダ珈琲店小坂井店」において2017年1月1日に撮影。

s_161111コメダ珈琲店岐阜公園店⑤、ブレンドコーヒーとCモーニング.JPG
~ ブレンドコーヒーと小倉トースト、珈琲所「コメダ珈琲店岐阜公園店」で2016年11月11日に撮影。

s_160126おかげ庵上飯田店⑤、抹茶+おにぎりセット+どら焼き.JPG
~ 抹茶、おにぎりセット+どら焼き、珈琲所「コメダ珈琲店」チェーン姉妹店の甘味喫茶「おかげ庵上飯田店」において2016年1月26日に撮影。

「酒類以外の飲物」については酒税法による「酒類」の定義が明確なので都道府県によって解釈が異なることはないと思いますが、定義が明確ではない「茶菓」の解釈は都道府県によって異なることがあるようです。



さて、食品営業許可が必要な業種を定めている食品衛生法が、来年2018年に改正される方向で検討が進んでいます。

今年2017年6月26日に開催された厚生労働省「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会」において配布された資料「食品衛生規制の見直しについて(案)」に明記された4つの検討課題は次の通りです。

1. HACCPによる衛生管理の制度化(対象:すべての食品等事業者)
2. 営業届出の創設及び許可制度の見直し
3. 食品用器具・容器包装の規制の見直し(ポジティブリスト制度の導入)
4. 食品リコール情報を把握する仕組みの構築

「食品衛生規制の見直し」については、厚生労働省生活衛生・食品安全審議官が参集した有識者等からの意見聴取の場としての食品衛生法改正懇談会が11月15日に「報告書(取りまとめ)」を公表しました。

この「報告書(取りまとめ)」に載っている提言の中に、(すべての食品等事業者を対象としたHACCPによる衛生管理の制度化を踏まえ)「営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設」が入っています。

この提言、「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会」の審議などを受けて厚生労働省は、食品衛生法等の改正案(食品衛生規制の見直しに関する案)を2018年の通常国会に提出する予定だそうです。

なお、「食品衛生規制等の見直しに向けた検討状況に関する説明会」が12月1日~15日の期間、全国7ヶ所で開催されます。

ご興味あのある方は、厚生労働省2017年11月10日付報道発表資料「食品衛生規制等の見直しに向けた検討状況に関する説明会」をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184240.html




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東海農政局消費者の部屋特別展示「知って使って!米粉の魅力~米粉の普及推進、利用推進~」 [食に関する情報]

農林水産省は2017年8月9日、「平成28年度食料自給率等」と題したプレスリリースを公表しました。このプレスリリースを読むと、日本の2016年度(平成28年度)のカロリーベース食料自給率は前年度より1ポイント下がって38%でした。カロリーベース食料自給率が前年度を下回るのは6年ぶりのことで、天候不良により米が記録的な不作となった2005年度の37%に次ぐ、過去2番目の低さでした。

農林水産省は、2016年度のカロリーベース食料自給率が38%に減少した要因として、台風の影響などにより北海道で小麦と砂糖の原料となる甜菜(てんさい)の生産量がいずれも減少したことや、米の1人当たりの年間消費量の減少が続いていることを挙げています。



さて、1965年度(昭和40年度)のカロリーベース食料自給率は73%でした。2016年度は38%なので、約50年で半分近くになったことになります。食料自給率の減少は、自給率の高い米の消費が年々減少していることが大きな要因です。

農林水産省が今年9月に公表した「米粉をめぐる状況について」に載っている「コメの消費に関する動向」を参照すると、米の1人当たりの年間消費量は、1962年度(昭和37年度)をピークに毎年減少しています。具体的には、1962年度に118.3kgの米を消費していたのが、2016年度は、その半分以下の54.4kgになっています。

政府は米の消費量を増やすために、消費増が見込めない米の粒食ではなく、米粉の利用促進を図っています。

名古屋市中区三の丸にある東海農政局の消費者の部屋において10月26日(木曜日)までの期間、

特別展示「知って使って!米粉の魅力~米粉の普及推進、利用推進~」

が開かれています。ご興味のある方はぜひ東海農政局の消費者の部屋をお訪ねください。

♪ 東海農政局消費者の部屋
・住所:〒460-8516 名古屋市中区三の丸1-2-2
・担当:消費・安全部消費生活課消費者対応班
・電話:代表(052)201-7271(内線2806)
    ダイヤルイン:(052)223-4651

〔ご参考〕次の写真は東海農政局の消費者の部屋で10月13日に撮った写真です。

s_171013東海農政局消費者の部屋③、米粉とは.JPG

s_171013東海農政局消費者の部屋④.JPG

s_171013東海農政局消費者の部屋⑦.JPG

s_171013東海農政局消費者の部屋⑧.JPG



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