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寿ぎの和菓子「蓬莱山」(子持饅頭) -(1) 彦根城博物館テーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」- (全4記事) [甘いもの(和菓子・スイーツ・パン)]

国宝・彦根城が建つ彦根山(金亀山)の麓にある彦根城博物館は、1987年(昭和62年)2月11日に彦根市市政50周年を記念して開館したミュージアムで、その建物は彦根藩の政所であった表御殿を復元したものです。同館が所蔵する資料は9万1千件を超え、そのうち約4万5千件が井伊家に伝わる美術工芸品や古文書だそうです。

200104彦根城博物館01、表門橋.JPG
~ 国宝彦根城の内堀にかかる表門橋の先に彦根城博物館が見えます。
※今回の記事に掲載した写真はすべて2020年1月4日に撮影したものです。

♪ 彦根城博物館は2020年4月23日(木曜日)まで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため臨時休館中です。同館の最新の休館情報につきましては、彦根城博物館のホームページでご確認願います。 → こちら http://hikone-castle-museum.jp/



井伊家の教え 彦根藩・末裔の娘が語る赤備えの一族

井伊家の教え 彦根藩・末裔の娘が語る赤備えの一族

  • 作者: 井伊裕子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本



さて、彦根城博物館において2020年1月1日(水曜日/祝日)より1月26日(日曜日)まで、テーマ展「蓬莱(ほうらい)-寿ぎの文様-」が開催されました。

200104彦根城博物館03、テーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」.JPG
~ テーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」が開催されていた彦根城博物館展示室1。

同館展示室1で行われてたテーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」は、「蓬莱-遥かなる理想郷-」および「寿ぎの蓬莱意匠」(蓬莱台と蓬莱飾り/蓬莱の文様/能に見る「蓬莱」/和菓子にみる「蓬莱」)で構成されており、古代中国の神仙思想に由来する理想郷としての「蓬莱」にまつわる作品30点ほどが展示されていました。

テーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」の配布資料を参照すると、「蓬莱-寿ぎの文様-」の変遷について次の解説が載っています。
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(略)蓬莱伝説は早くから日本に伝えられ、不老不死や延命長寿を叶える理想郷として人々を魅了しました。平安時代に成立した『竹取物語』においては、蓬莱の玉の枝が得難い宝物として描かれ、同じく平安時代に著された『紫式部日記』や『御堂関白記』などには、蓬莱を象った作りものの台が祝宴の飾りや婚礼の祝儀物として用いられる様子が記されています。これらの記録から、平安時代、蓬莱は単なる仙境ではなく、風流や吉祥を象徴する存在となっていたと考えられます。それを反映するかのように、この時代以降、様々な美術工芸品の意匠として蓬莱が表現されるようになりました。

当初、蓬莱意匠の多くは、水上の岩山に長寿を象徴する常緑の松と、同じく長寿を象徴する鶴亀を配した姿で表されました。この表現は更に展開し、鎌倉時代には竹、室町時代には梅が加えられ、鶴亀と松竹梅という現代につながる吉祥尽くしの意匠へと変化を遂げました。いつしか水上の岩山という表現も装飾的な流水や洲浜に置き換えられ、江戸時代に到り、蓬莱は典型的な吉祥の画題として、あるいは婚礼調度などの調度品を飾る吉祥文様として表されるようになり、より多くの人に親しまれるようになります。 ※下線は wattana が引いた。
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・出所:彦根城博物館テーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」配布資料

テーマ展「蓬莱-寿ぎの文様-」において展示されていた作品30点ほどの中から4点の写真を載せましたのでご覧ください。

200104彦根城博物館06、側次.JPG
~ 側次 紺地波に仙島文様(江戸時代 裂は中国・清時代)。裾に、荒波の中の険しい岩島が描かれ、島の周りを鳳凰が飛び、雲気が立ちこめる様子が表されている。

200104彦根城博物館13、蓬莱図(狩野英信).JPG
~ 狩野英信「蓬莱図」6曲1双(江戸時代)。

200104彦根城博物館14、蓬莱文柄鏡.JPG
~ 蓬莱文柄鏡(径24.4cm、江戸時代)。鏡の背面に水辺の松竹梅に鶴亀をあしらった蓬莱文。

200104彦根城博物館19、蓬莱文中啓.JPG
~ 蓬莱文中啓(江戸時代)。松竹梅と鶴亀、波という典型的な蓬莱の意匠の翁扇・

♪ 寿ぎの和菓子「蓬莱山」(子持饅頭) -(2)「和菓子にみる蓬莱」- へ続く。


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Grs 満々美人

こんにちは。
いつもお世話になっております。
彦根城博物館を楽しませてもらいました^^
(@^^)/~~~
by Grs 満々美人 (2020-04-15 15:53) 

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