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「美濃桃山陶」、美濃焼が最も輝いた時代 -(4)荒川豊蔵と林景正の作品- [東美濃のミュージアム]

♪ 「美濃桃山陶」、美濃焼が最も輝いた時代 -(3)国指定史跡「元屋敷陶器窯跡」- の続き

志野陶片を発見した久々利大萱において 荒川豊蔵さん(1894~1985年)は1933年(昭和8年)、作陶活動を始めました。

桃山時代以降途絶えていた志野と瀬戸黒の再現において古窯跡から採集した陶片が道標となったそうです。

「週刊人間国宝23工芸技術・陶芸5(2006年11月5日号)」に掲載された「伝統を自ら創造する『志野』の再現」に長瀬未左子さん(土岐市埋蔵文化財センター学芸員、当時)は、「そんな豊蔵の創作活動の傍らにあったのが古窯跡から採集した陶片であった。陶片は氏の再現への道標であり、豊蔵の創造の原点でもあった。」と書いています。


縁に随う (1977年)

縁に随う (1977年)

  • 作者: 荒川 豊蔵
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2020/04/19
  • メディア: -



さて、人間国宝の荒川豊蔵と同時代を生きた林景正さん(1891~1988)という陶芸家、いや「陶工」がいます。

(陶芸家ではなく)あくまでも「陶工」の姿勢を貫いた林景正さんの黄瀬戸の特徴は、土岐市美濃陶磁歴史館の学芸員・鍋内愛美さんによると、家業の煎茶碗の生産に従事していた頃に身につけた薄く正確にロクロをひく技術に裏付けされた「軽さ」だそうです。

また、林景正さんの黄瀬戸の釉調は、砂をまとったようなマットな質感の所謂「油揚げ肌」のものからつやのあるものまで様々で、丸盌を、代表作とされる胴紐茶盌同様に、「抜け胆礬(たんぱん)」を強く意識して繰り返し制作しているそうです。

それでは、荒川豊蔵資料館(岐阜県可児市久々利柿下入会352番地)で撮った荒川豊蔵さんの作品とと土岐市美濃陶磁歴史館(岐阜県土岐市泉町久尻1263番地)で撮った林景正さんの作品の一部をご覧ください。

190301荒川豊蔵資料館16、志野筍絵茶碗銘随縁.JPG
~ 荒川豊蔵・作「銘 随縁」。

181211荒川豊蔵資料館32、瀬戸黒茶碗.JPG
~ 荒川豊蔵・作「瀬戸黒茶碗」。

191115荒川豊蔵資料館18、黄瀬戸茶碗.JPG
~ 荒川豊蔵・作「黄瀬戸茶碗」。

191203土岐市美濃陶磁歴史館13、黄瀬戸茶盌.JPG
~ 林 景正・作「黄瀬戸茶盌」。

191203土岐市美濃陶磁歴史館10、黄瀬戸胴紐茶盌.JPG
~ 林 景正・作「黄瀬戸胴紐茶盌」。

200119土岐市美濃陶磁歴史館11、黄瀬戸丸盌.JPG
~ 林 景正・作「黄瀬戸丸盌」。

♪ 「美濃桃山陶」、美濃焼が最も輝いた時代 全4記事。完。


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Grs 満々美人

(。・ω・)ノ゙ コンバンゎ♪
素敵な茶盌の作品を楽しませてもらいました^^

いつもお世話になっております
(@^^)/~~~
by Grs 満々美人 (2020-04-14 19:08) 

あんじゅ

岡山は備前焼が有名で
息子は小学校の時
備前焼クラブに入ってて
しょっちゅう力作を持って帰ってきてました~
熱帯魚のすみかとして水槽に沈んだりしてましたけど(笑)
by あんじゅ (2020-04-14 21:30) 

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