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食の 「安全」と 「安心」のこと [食に関する情報]

「食品安全委員会」が平成19年10月に発行した広報誌 「食品安全」 (第14号、季刊誌)にとても興味深い記事が載っています。

当時の 「食品安全委員会」委員長が寄稿した

~ 食の 「安心」とは… ~

という記事です。

110505食品安全委員会、「食品安全」.JPG

この記事にはつぎのようなことが書かれています。

 ・食の 「安全」 と 「安心」 は別のもの
 ・食の 「安全」 は、科学的な評価によってもたらされるもの
 ・食の 「安心」 は、人それぞれの判断に委ねられるもの

ちょっと、わかりにくいですね。

それでは、具体的な例をあげて考えてみましょう。たとえば、「当店の牛肉は新鮮だから、生で食べても大丈夫です」という話を聞くことがあります。

新鮮だから (新しいから)、生で食べても健康被害はないと言い切っているのだと思います。もちろん、古い牛肉ではなく、新しい牛肉の方が 「安心」できます。でも、いくら新鮮な牛肉でも、食中毒の原因となる微生物 (*注①)が付着している可能性はゼロではないので、「安全」 (健康被害をおこさない)と言いきることはできないと思います。

(*注①)食中毒病因物質には、微生物 (細菌性、ウイルス性)、自然毒、 化学物質があるそうです(「原色食品衛生図鑑」の3ページを参照しました)。

原色食品衛生図鑑

原色食品衛生図鑑

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 建帛社
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 単行本


2017年3月16日に開かれた厚生労働省の審議会「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会」(以下、「食中毒部会」)において2016年の食中毒発生状況が報告されました。「食中毒部会」で配布された資料「平成28年食中毒発生状況(概要版)」を参照すると、事件数は2015年よりも5.2%減って1,140件、患者数は10.9%減って20,253人でしたが、死亡者数は8人増えて14人となり、2000年以降では2002年の18人に次いで2番目に多い年となっています。

>3月16日開催「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会」で配付された資料は厚生労働省ホームページよりダウンロードできます。
  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000155510.html

厚生労働省が大規模食中毒と呼んでいる患者数500人以上の事例は2件でした。一つ目は、東京都江東区のお台場で開催された「肉フェス」における鶏のささみ寿司を原因とするカンピロバクター食中毒でした。「肉フェス」は2016年4月28日~5月8日に全国5会場で開催され、福岡会場においても鶏のささみ寿司を原因とする食中毒(患者数266人)が発生しています。二つ目は、京都府の旅館で提供された料理が原因のノロウイルス食中毒ですが、原因食品は特定されていません。

「新鮮な鶏肉だから生で食べてもだいじょうぶ」は間違いです!



さて、2017年3月16日の「食中毒部会」における「飲食店営業者等に対して鶏肉の提供にあたって加熱調理が必要である旨の情報伝達が重要だ」との議論を受けて、厚生労働省は消費者庁と連名で3月31日、「カンピロバクター食中毒対策の推進について」と題した文書を都道府県衛生主管部長などに宛てて発出し、関係事業者に対して次の2点の周知及び指導を要請しました。

1.食鳥処理業者、卸売業者等は、飲食店営業者が当該鶏肉を客に提供する際には加熱が必要である旨を、「加熱用」、「十分に加熱してお召し上がり下さい」、「生食用には使用しないでください」等の表示や商品規格書への記載等(以下「「加熱用」の表示等」)を行うことにより、確実に情報を伝達するよう措置すること。

2.飲食店において、生又は加熱不十分な鶏肉の提供が原因と特定又は推定(原因となった食事に含まれる場合を含む。)されるカンピロバクター食中毒が発生した際には、再発防止の観点から次により対応し、必要に応じて公表するとともに、食中毒調査結果として厚生労働省に報告すること。
(1)鶏肉に「加熱用」の表示等が行われていない場合には、食鳥処理業者、卸売業者に対して、当該表示等の徹底について指導を行うこと。
(2)鶏肉に「加熱用」の表示等が行われている場合には、飲食店営業者に対して、加熱用の鶏肉の生又は加熱不十分な状態での提供の中止を直ちに指導するとともに、定期的に当該業者に対する重点的な監視を行う等厳正に対応すること。

>発出文書は厚生労働省ホームページよりダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000159937.pdf

「新鮮な鶏肉だから生で食べてもだいじょうぶ」は間違いです!

厚生労働省がカンピロバクター食中毒に関して飲食店営業者と消費者向けに作成した次の3つのリーフレットをご参照ください。

1.生や半生の鶏肉料理を扱う飲食店の皆様へ「カンピロバクターによる食中毒を予防しましょう」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000127750.pdf

2.飲食店の外食時にも注意「生・半生・加熱不足の鶏肉料理によるカンピロバクター食中毒が多発しています!!」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000130239.pdf

3.安全な家庭調理の心得「『新鮮だから安全』ではありません!!」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000130243.pdf






さて、2017年3月16日の「食中毒部会」における「飲食店営業者等に対して鶏肉の提供にあたって加熱調理が必要である旨の情報伝達が重要だ」との議論を受けて、厚生労働省は消費者庁と連名で3月31日、「カンピロバクター食中毒対策の推進について」と題した文書を都道府県衛生主管部長などに宛てて発出し、関係事業者に対して次の2点の周知及び指導を要請しました。

1.食鳥処理業者、卸売業者等は、飲食店営業者が当該鶏肉を客に提供する際には加熱が必要である旨を、「加熱用」、「十分に加熱してお召し上がり下さい」、「生食用には使用しないでください」等の表示や商品規格書への記載等(以下「「加熱用」の表示等」)を行うことにより、確実に情報を伝達するよう措置すること。

2.飲食店において、生又は加熱不十分な鶏肉の提供が原因と特定又は推定(原因となった食事に含まれる場合を含む。)されるカンピロバクター食中毒が発生した際には、再発防止の観点から次により対応し、必要に応じて公表するとともに、食中毒調査結果として厚生労働省に報告すること。
(1)鶏肉に「加熱用」の表示等が行われていない場合には、食鳥処理業者、卸売業者に対して、当該表示等の徹底について指導を行うこと。
(2)鶏肉に「加熱用」の表示等が行われている場合には、飲食店営業者に対して、加熱用の鶏肉の生又は加熱不十分な状態での提供の中止を直ちに指導するとともに、定期的に当該業者に対する重点的な監視を行う等厳正に対応すること。

>発出文書は厚生労働省ホームページよりダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000159937.pdf

「新鮮な鶏肉だから生で食べてもだいじょうぶ」は間違いです!

厚生労働省がカンピロバクター食中毒に関して飲食店営業者と消費者向けに作成した次の3つのリーフレットをご参照ください。

1.生や半生の鶏肉料理を扱う飲食店の皆様へ「カンピロバクターによる食中毒を予防しましょう」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000127750.pdf

2.飲食店の外食時にも注意「生・半生・加熱不足の鶏肉料理によるカンピロバクター食中毒が多発しています!!」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000130239.pdf

3.安全な家庭調理の心得「『新鮮だから安全』ではありません!!」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000130243.pdf