御菓子所「両口屋是清 栄店」で「さかえ餅」(汁なしぜんざい) [御菓子所「両口屋是清」]
♪ 両口屋是清 栄店は2021年8月15日を以って閉店しています。(2021年9月26日追記)
国立国会図書館の第124回常設展示
喫茶店がくれたもの ~その意味と役割
期間 : 2003年2月4日(火)~3月31日(月)
において展示された資料の中に、とても興味深い「喫茶店史年表」があります。
この年表を参照すると、1923年(大正12年)に発生した関東大震災後に喫茶店が急増したそうです。
・1922年(大正11年)頃:この頃より「喫茶店」の名称が一般化
・1923年(大正12年) :関東大震災発生
・1925年(大正14年)頃:震災からの復興に伴い喫茶店・カフェー急増(※注)
・1930年(昭和 4年)頃:カフェー全盛。「カフェー取締令」発布
・1935年(昭和10年)頃:女給のいる「カフェー」漸減し「喫茶店」が流行する
(※注) 女給と酒が中心の「カフェー」、酒を置かない「普通喫茶店」、昼夜で営業内容を変える折衷的な「特殊喫茶店」等の分類が生まれる。
関東大震災後に喫茶店が急増したことは、建築史家の初田亨さんの著書「カフェーと喫茶店 モダン都市のたまり場」の7ページに載っている「東京(旧都市部)の風俗に関する店舗の数 『東京市統計年表』より」を見ると明らかです。
カフェーと喫茶店―モダン都市のたまり場 (INAX ALBUM)
- 作者: 初田 亨
- 出版社/メーカー: INAX
- 発売日: 1993/12
- メディア: 単行本
さらに、名古屋を代表する老舗和菓子屋の御菓子所「両口屋是清」が発行した「尾張の和菓子を伝えて-両口屋是清の350年-」(1986年1月31日、両口屋是清発行)にとても興味深い記述があります。
震災を境にして京浜地帯は復興、大企業はぞくぞくと工場をつくった。 (略) 名古屋もまた大正13年の半ばころから、市郊外の区画整理事業が急激に勃興し、14年に入りますます機運は上昇した。 (略) これにいちはやく目をつけたのが副都心や盛り場に進出したデパートだった。 (略) 老舗の後継者として家業に従った清治は、 (略) 箱車を押して限られたお茶人だけを相手に商売しているだけでは発展がない。もっと大衆を相手にしなければならぬと考えた。・・・同書195~196ページより引用。
「両口屋是清」の大島清治さんが目を付けたのは、日本茶だけでなく、コーヒーやミルク、紅茶を提供する喫茶店です。
出店したのは、南大津町に移転した「いとう呉服店」(松坂屋のこと)の跡地(名古屋・栄町)にオープンした食料品マーケット「栄屋」で、喫茶店の店舗名は「喫茶SPA(スパー)」です。「栄屋」西口の角にオープンした「喫茶SPA(スパー)」は、同書によると、よく人が入ったそうです。
さて、2019年2月9日(土曜日)の午前11時10分頃、御菓子所「両口屋是清 栄店」へ行ってきました。
~ 「両口屋是清 栄店」は、2019年3月末をもって閉館する中日ビルの南隣の久屋パークビル1階にあります。今回掲載の写真はすべて、2019年2月9日に撮ったものです。
両口屋是清栄 栄店は、喫茶室が併設された店舗です。栄店のほか、八事店と東山店も喫茶室が併設されています。
オーダーしたのは、栄店限定の「さかえ餅」です。
~ 「両口屋是清 栄店」限定の「さかえ餅」(汁なしぜんざい)。
☆ 御菓子所「両口屋是清 栄店」
(名古屋市中区栄4丁目14-2 久屋パークビル1階)
尾張徳川藩の御用菓子屋を勤めた御菓子所「両口屋是清」は、1634年(寛永11年)創業の名古屋を代表する老舗和菓子屋です。
~ 御菓子所「両口屋是清 本町店」(本社店、名古屋市中区丸の内三丁目14-23)。
喫茶店の誕生に関東大震災が影響していたとはビックリです。
「さかえ餅」という呼び名も初めて知りました。
by 森田惠子 (2019-02-11 19:14)
wattanaさん、お久しぶりです!
昨年4月に名古屋へ行った時、名古屋在住の小学校時代の友達に10年ぶりに再会しました。
その時にお土産に持たせてくれたのが「両口屋是清」のお菓子の詰め合わせでした!
「ささらがた」や「旅まくら」などなど、どれもとても美味しくて、空き箱は今も筆記用具入れとして手元に置いてあります♪♪
by saia (2019-02-11 20:06)