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菓銘を聞いて和菓子を楽しむ@甘楽花子 [甘楽花子(京都・聖護院)]

♪ 2018年6月15日追記:花子さんの新店舗が6月25日(月曜日)午前11時にオープンします。住所は、京都市左京区聖護院山王町16-21メゾン・ハギタ101号。定休日:水曜日、営業時間:平日/9:00~19:00、日・祝日/10:00~18:00。


「和菓子は五感の芸術である」は、全国和菓子協会第二代会長の黒川光朝さんが提唱した言葉だそうです。

五感とは、視覚、味覚、嗅覚、触覚、聴覚のことで、全国和菓子協会のホームページに詳しい解説が載っていますが、ここでは黒川光朝さんのご子息で虎屋十七代当主(株式会社虎屋代表取締役社長)の黒川光博さんの著書「虎屋 和菓子と歩んだ五百年」(新潮新書、2005年8月発行)の次のくだりを参照したいと思います。

父の残した言葉に、「和菓子は五感の芸術である」というものがあります。和菓子にはまず形や目に映る美しさがある(視覚)。次に口に含んだ時のおいしさ(味覚)、そしてほのかな香り(嗅覚)と、手で触れ、楊枝で切る時の感じ(触覚)があるが、これらに加えてもう一つ、菓子の名前を耳で聞いて楽しむ「聴覚」がある、と言うのです。  和菓子には、『古今和歌集』や『源氏物語』などの古典文学からとったり、日本の風土、四季などを巧みに織り込んださまざまな雅な名前(菓銘)が付けられています。例えば、「薄氷(うすらひ)」という菓子。これは初冬のある朝、紅葉が池の氷に閉じ込められている情景を、道明寺生地の中の煉羊羹で表したものです。「春霞」「初蛍」「紅葉の錦」など、それらの菓銘を耳にするだけで季節のうつろいすら感じ取ることができます。  そういうものすべてがそろって初めて和菓子は完成する、というのが父が言いたかったことではないか。和菓子を五感という観点からとらえたのは、わが父ながら卓見だと思います。・・・「虎屋 和菓子と歩んだ五百年」の170~171ページより引用。



虎屋―和菓子と歩んだ五百年 (新潮新書)

虎屋―和菓子と歩んだ五百年 (新潮新書)

  • 作者: 黒川 光博
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/08/01
  • メディア: 新書


さて、2017年12月1日(金曜日)の午前11時30分頃、甘楽花子(かんらくはなご)へ行ってきました。花子さんは、京都・烏丸丸太町交差点の南東角近くにある京菓子のお店です。

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~ 地下鉄烏丸線の「丸太町」駅の3番出入口を出て直ぐです。

ご主人の内藤さんが、あん炊き、生地作り、包餡などのすべての工程をお一人でこなされています。店内には8席ほどの喫茶スペースがあり、ショーケースに並んでいる生菓子から好みの生菓子を選び、抹茶または煎茶といっしょにいただくことができます(予約不要)。

今回選んだ生菓子は、菓銘「木枯」です。

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~ 菓銘「木枯」。

普通の上用生地は純白ですが、そば粉を合わせたそば上用生地は、どんよりとした冬空を連想させます。

次の生菓子は、昨年2016年12月1日にいただいた菓銘「初雪」です。

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~ 菓銘「初雪」。こし餡をそば上用生地で包み、頂に純白の普通の上用生地が重ねてあります。

そば上用を土、普通の上用を雪に見立ててあり、初雪でうっすらと雪化粧した景色が浮かんできます。

菓銘を聞いて和菓子を楽しむ@甘楽花子。

☆ 甘楽花子(かんらくはなご)
 (京都市中京区烏丸丸太町下る大倉町206オクムラビル1階)
☆ 2017年12月1日(金曜日)午前11時30分頃利用

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