飲食店における不適切なメニュー表示のこと 〔イオン、不適切なメニュー表示の飲食テナント名を公表〕 [食品表示]
イオン株式会社は11月20日、
「弊社SCに入店している飲食テナントのメニュー表示に関する調査結果のお知らせ」
と題したニュースリリース(重要なお知らせ)を
公式サイトに掲載しました。
同文書を読むと、
メニュー表示と異なった食材を使用していた事例の有無を
イオングループのショッピングセンター内の飲食テナントを対象に調査した結果、
全飲食テナント5,207店舗の中で89店舗において
不適切なメニュー表示があったことが判明したそうです。
不適切なメニュー表示だとイオンが確認(断定)したのは、
・ 「生クリーム」表示 → (実際は「ホイップクリーム」)
・ 「生クリーム」表示 → (実際は「冷凍ホイップクリーム」)
・ 「バタートースト」表示 → (実際は「マーガリントースト」)
などです。
イオンの同文書によると、
現在はすべての飲食テナントにおいて
正しいメニュー表示になっているそうです。
~ イオングループのショッピングセンター内の当該飲食テナントで撮った写真です(イオンの公表後なので、正しいメニュー表示が行われているはずです)。
さて、
実際に使用している食材とメニュー表示が異なっていたと
イオンが確認(断定)した「表示」は、
「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」が規制している
不当表示の一つである「優良誤認表示」に該当するのでしょうか?
「景品表示法」を所管している消費者庁(担当部署:表示対策課)の
公式サイトに載っている「優良誤認」の説明を参照すると;
「景品表示法」第4条第1項第1号は、
事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、
その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも
著しく優良であると示すもの
であって、不当に顧客を誘引し、
一般消費者による自主的かつ合理的な選択を
阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しているそうです。
優良誤認表示の禁止。
わかりにくいですね。
>「一般消費者」と消費者の違いは?
>「著しく」とはどの程度のことを指すのか?
>「優良」とは?
・・・
そこで、
「景品表示法」の解説書を当たってみました。
「Q&A景品表示法 景品・表示規制の理論と実務」(青林書院発行)を参照すると、
「Q3-30優良誤認について具体例をあげて説明してほしい。」(209ページ)の
回答として「原材料について誤認される表示」の例が載っています。
実際には「ホイップクリーム」を使っているのに
「生クリーム」と表示した場合、
実際には「マーガリン」を使っているのに
「バタートースト」と表示した場合、
一般消費者が著しく優良であると誤認するかどうか、
わたしには判断ができません。
スーパーなどで販売されている価格を比較すると、
「生クリーム」の方が「ホイップクリーム」よりも高いと思います。
「バター」の方が「マーガリン」よりも高いと思います。
でも、
「ホイップクリーム」、「マーガリン」の
熱量(カロリー)は低いと思われるので、
カロリーの過剰摂取という視点では
判断が変わってくると思います。
いずれにしても法律に違反するかどうかではなく、
飲食店の利用者(消費者)にとって
わかりやすく、紛らわしくなく、正しい「表示」を
飲食店には常に心がけて欲しいと思います。
なお、
前掲書「Q&A景品表示法 景品・表示規制の理論と実務」には、
興味深いQ&Aが他にも載っています。
その一つが;
回答の中に、
デパートやスーパーマーケットなどと
その売り場を借りている販売業者との関係についての
説明があります。
この説明から判断すると、
テナント飲食店だけでなく大家のイオンも
表示主体となる場合があります。
イオンは前掲文書において;
と記載していますが、
イオンも表示主体であるという視点から見ると、
イオンが積極的に不適切なメニュー表示を公表したことがうなづけます。
「弊社SCに入店している飲食テナントのメニュー表示に関する調査結果のお知らせ」
と題したニュースリリース(重要なお知らせ)を
公式サイトに掲載しました。
同文書を読むと、
メニュー表示と異なった食材を使用していた事例の有無を
イオングループのショッピングセンター内の飲食テナントを対象に調査した結果、
全飲食テナント5,207店舗の中で89店舗において
不適切なメニュー表示があったことが判明したそうです。
不適切なメニュー表示だとイオンが確認(断定)したのは、
・ 「生クリーム」表示 → (実際は「ホイップクリーム」)
・ 「生クリーム」表示 → (実際は「冷凍ホイップクリーム」)
・ 「バタートースト」表示 → (実際は「マーガリントースト」)
などです。
イオンの同文書によると、
現在はすべての飲食テナントにおいて
正しいメニュー表示になっているそうです。
~ イオングループのショッピングセンター内の当該飲食テナントで撮った写真です(イオンの公表後なので、正しいメニュー表示が行われているはずです)。
さて、
実際に使用している食材とメニュー表示が異なっていたと
イオンが確認(断定)した「表示」は、
「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」が規制している
不当表示の一つである「優良誤認表示」に該当するのでしょうか?
「景品表示法」を所管している消費者庁(担当部署:表示対策課)の
公式サイトに載っている「優良誤認」の説明を参照すると;
「景品表示法」第4条第1項第1号は、
事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、
その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも
著しく優良であると示すもの
であって、不当に顧客を誘引し、
一般消費者による自主的かつ合理的な選択を
阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しているそうです。
優良誤認表示の禁止。
わかりにくいですね。
>「一般消費者」と消費者の違いは?
>「著しく」とはどの程度のことを指すのか?
>「優良」とは?
・・・
そこで、
「景品表示法」の解説書を当たってみました。
「Q&A景品表示法 景品・表示規制の理論と実務」(青林書院発行)を参照すると、
「Q3-30優良誤認について具体例をあげて説明してほしい。」(209ページ)の
回答として「原材料について誤認される表示」の例が載っています。
例1.実際には馬肉の缶詰であるのに、「牛肉の缶詰」と表示
例2.実際には合成のクエン酸と水を主原料とした飲料であるのに、 「新鮮なレモンを搾ったそのままの味と香りが魅力です」などと表示
実際には「ホイップクリーム」を使っているのに
「生クリーム」と表示した場合、
実際には「マーガリン」を使っているのに
「バタートースト」と表示した場合、
一般消費者が著しく優良であると誤認するかどうか、
わたしには判断ができません。
スーパーなどで販売されている価格を比較すると、
「生クリーム」の方が「ホイップクリーム」よりも高いと思います。
「バター」の方が「マーガリン」よりも高いと思います。
でも、
「ホイップクリーム」、「マーガリン」の
熱量(カロリー)は低いと思われるので、
カロリーの過剰摂取という視点では
判断が変わってくると思います。
いずれにしても法律に違反するかどうかではなく、
飲食店の利用者(消費者)にとって
わかりやすく、紛らわしくなく、正しい「表示」を
飲食店には常に心がけて欲しいと思います。
なお、
前掲書「Q&A景品表示法 景品・表示規制の理論と実務」には、
興味深いQ&Aが他にも載っています。
その一つが;
「Q3-18 表示主体として法4条違反の規制を受ける者はどのように決まるのか。」
回答の中に、
デパートやスーパーマーケットなどと
その売り場を借りている販売業者との関係についての
説明があります。
この説明から判断すると、
テナント飲食店だけでなく大家のイオンも
表示主体となる場合があります。
イオンは前掲文書において;
弊社は、お客さまの安全や安心に関わる情報についてはすみやかにお伝えするという方針に基づき当該テナント運営会社の合意のもとに、本件につき公表させていただきます。
と記載していますが、
イオンも表示主体であるという視点から見ると、
イオンが積極的に不適切なメニュー表示を公表したことがうなづけます。
おはようございます。
使った材料名をそのまま表記するだけのことを、どおうしてできないのか、不思議です。
マーガリン使用を”バター”と表記して、価格を上げるのもイヤだけれど、それよりもアレルギーのことを考えると、なおさら正しい表記が大切だと感じます。
最近出席した披露宴では、出席のお葉書に「食品アレルギーがある方はお書き添えください…」というようなことが書いてありました。
大人がウソの表記をしていて、子どもに「ウソはいけないよ」と話しても…と思います。
by choco (2013-11-25 10:01)
私も法律に違反うんぬんは別にどうでもいいですが
紛らわしくない正しい「表示」と言うのが大切と感じます。
小さなレストランは偽装とは無関係の所で
頑張っているのに大きいところは大半は
偽装をしていただろうな・・・と思うのは私だけでしょうか?
by vivian (2013-11-25 11:53)
こんにちは!
表示がわかりづらくなってきました。
どんどん細かく表示されるようになって・・・
一般消費者は そこまで求めているのか・・・と
首をかしげたくなります。
もちろんアレルギーなど 欠かせない表示もありますが。
ホイップだろうが
生クリームだろうが
特に表示する必要は感じません。
〇〇牛だろうが××牛だろうが
「牛」でいいと思うのです。
過剰な細かさは消費者の為になっていたのでしょうか?
不適切な表示・偽装を生んだだけのような気もするのです。
by ちゅんちゅんちゅん (2013-11-25 13:34)
wattanaさんがずっと追求されてきたことですよねー。何か駆け込み的に言っちゃおうみたいな、反省が感じられない。確信犯だったとしか思えません。
by Ginger (2013-11-25 15:37)
数年前の偽造問題の時にも言われていましたが、日本人はブランドに拘り過ぎていますね。
by yanasan (2013-11-25 22:09)
choco さん、おはようございます。
ホテル内の飲食店、喫茶店チェーンとでは事情が違うとは思いますが、業界の常識とか、他店がやっているから、バレルことはないなどという考え方なのかもしれません。
chocoさんが言われる通り、使用している食材を「正しく表示」すればよいだけなので、これができないのなら料理のプロとして失格ですね。
by wattana (2013-11-26 06:28)
vivian さん、
個人経営、法人経営を問わず、考え方の問題だと思います。もちろん、お客さまが来店しなければ経営が成り立ちませんので、メニュー表示を含むPRにおいて多少の誇張、強調があるのはしかたがないと思いますが、その誇張、強調の結果、お客さまをだますことになってはいけないと思います。
お店にとって「巧みな表示」は、利用者にとっては「紛らわしい表示」になります。この点を留意して、利用者の立場で見たらどう思うかと考えた上で、メニュー表示をして欲しいと思います。
by wattana (2013-11-26 06:36)
ちゅんちゅんちゅんさん、おはようございます。
飲食店におけるメニュー表示を含む「食品表示」は、消費者が食品を選択する時に参考にする商品説明書なので、とても重要です。この表示が間違っていたり、紛らわしい、わかりにくいと、消費者が間違った選択をする可能性があります。
食品の加工度が上がり、使用される原材料が増え、物流が発達したなどの結果、わたしたちはとても多くの食品を日本国内だけでなく世界中から購入することができるようになりました。これらの食品の中から、自分が欲しいものを選択するための判断材料として、「食品表示」は重要です。
牛なら牛と書くとは大胆なご意見ですが、オーストラリア産牧草肥育牛(牧草だけで飼育された牛)と穀物飼料で長期間飼育された「飛騨牛」などの黒毛和牛では、品質格差が歴然としています。現物の牛肉と価格だけでは、品質を判断することは難しいので、産地表示などの「食品表示」は不可欠だと思います(産地による品質格差があるので)。
ただ、包装容器に入った食品の場合、表示をするスペースは限られているので、「大きな字で何でも表示しろ」という一部の消費者の要求を満たすことは不可能です。重要なのは、優先順です。健康に関係するアレルギー表示などが優先されるのは言うまでもないことです。
消費者は、「食品表示」の一方的な受け手ではなく、積極的に「食品表示」者(メーカー、小売業者など)に意見を述べることも重要だと思います。
by wattana (2013-11-26 07:21)
Ginger さん、
どさくさに紛れて、という輩がいますね。
考え方が悪い、いや言っても直らないかも。
by wattana (2013-11-26 07:25)
yanasan さん、
ブランド食材を使ってなければ、利用してもらえないから使ってもいないブランド食材を冠したメニューにしたケースもあるでしょうね。
by wattana (2013-11-26 07:28)
こんにちは!
なるほど~
納得しました(^^)
自分ももっと知らなければいけないですね☆
by ちゅんちゅんちゅん (2013-11-27 16:41)
ちゅんちゅんちゅんさん、おはようございます。
「食品表示」、法律がいくつもあってわかりにくということで一元化が検討されていましたが、今年6月に「食品表示法」が公布されました。まだ施行されていませんが、わかりやすい「食品表示」にすこしずつなっていくと思います。
by wattana (2013-11-28 06:11)