「牛肉」の表示 ~惑わされないようにしたいですね (その1)~ [食品表示]
「JAS法」 (*注)が定める
「生鮮食品品質表示基準」は、
畜産物 (食肉)に 〔名称〕 と 〔原産地〕 を記載することを
義務付けています。
(*注)正式な法律名は、
「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」です。
〔名称〕
食肉の種類と部位名が表示されています。
〔原産地〕
国産の場合‘国産’と表示、外国産の場合‘原産国名’が表示されています。
・原産地は、出生地とは限りません。
出生地、育成地、肥育地が変わることがあるので、
=飼養期間が最も長い場所= が原産地と定められています。
・‘国産’の場合、県名、よく知られた地名の記載でもOKです。
・この他にも 〔原産地〕の記載に関する注意事項があります。
※ 食肉の原産地表示についてさらに詳しいことをお知りになりたい方は、
「畜産物の原産地表示に関するQ&A」 をご覧ください。 → こちら
では、実際にスーパーマーケットで販売されていた
パック詰めの牛肉の表示を見てみましょう。
例1)2010年5月3日(月)に岐阜市内の
スーパーマーケットで購入した 「飛騨牛」
~ 上のシールが岐阜県が誇る 「飛騨牛」(登録商標)の推進母体である
飛騨牛銘柄推進協議会発行のワンポイントシールです。
~ 下のプライスラベルには、〔名称〕~飛騨牛しゃぶしゃぶ用(カタ肉)~ と
〔原産地〕~岐阜県産~ が記載されています。
例2)2010年5月9日(日曜日)に愛知県一宮市内の
スーパーマーケットで購入した 「豪州生まれの長崎育ち牛」
~ ワンポイントシールを見ただけではオーストラリアにおける飼養期間と
長崎における飼養期間のどちらが長いのかわかりません。
~ プライスラベルに、〔名称〕~牛しゃぶしゃぶ用(カタ肉)~、そして
〔原産地〕~長崎産~ と記載があるので、
オーストラリアよりも長崎での飼養期間が長いことがわかります。
(備考)プライスラベルに記載されている牛個体識別番号で当該牛の履歴を調べれば、
飼養地と飼養期間などがトレースできます。
実際に当該牛を調べてみたところ、
・ 出生地:オーストラリア
・ 出生日:2007年6月〇〇日
・ 輸入日:2008年5月〇〇日 (転入先:長崎県)
・ 屠畜日:2010年4月〇〇日
となっていますので、長崎県における飼養期間の方が長いことがわかります。
JAS法は
〔原産地〕=最も長く飼養された場所=と規定しているので、
この牛肉は長崎県産となります。
故に、~豪州生まれ長崎育ち牛~
というワンポイントシールを貼ったと思われます。
でも、食肉の仕事に就いている人ならともかく、
一般の消費者にはわかりにくい表示ですね。
さて、スーパーマーケットの牛肉コーナーに
並んでいるパック詰めされた牛肉を見ると、
ワンポイントシール、プライスラベルなどに
国産牛、黒毛和牛、国産黒毛和牛、
交雑牛、乳牛、肉専用牛、
松阪牛、飛騨牛、鹿児島黒牛・・・
などといろいろな表示が目につきます。
では、ここで問題。
国産牛と和牛は違うのか?
答えは、
~「牛肉」の表示 ~惑わされないようにしたいですね (その2)~
に載せる予定です。
「生鮮食品品質表示基準」は、
畜産物 (食肉)に 〔名称〕 と 〔原産地〕 を記載することを
義務付けています。
(*注)正式な法律名は、
「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」です。
〔名称〕
食肉の種類と部位名が表示されています。
〔原産地〕
国産の場合‘国産’と表示、外国産の場合‘原産国名’が表示されています。
・原産地は、出生地とは限りません。
出生地、育成地、肥育地が変わることがあるので、
=飼養期間が最も長い場所= が原産地と定められています。
・‘国産’の場合、県名、よく知られた地名の記載でもOKです。
・この他にも 〔原産地〕の記載に関する注意事項があります。
※ 食肉の原産地表示についてさらに詳しいことをお知りになりたい方は、
「畜産物の原産地表示に関するQ&A」 をご覧ください。 → こちら
では、実際にスーパーマーケットで販売されていた
パック詰めの牛肉の表示を見てみましょう。
例1)2010年5月3日(月)に岐阜市内の
スーパーマーケットで購入した 「飛騨牛」
~ 上のシールが岐阜県が誇る 「飛騨牛」(登録商標)の推進母体である
飛騨牛銘柄推進協議会発行のワンポイントシールです。
~ 下のプライスラベルには、〔名称〕~飛騨牛しゃぶしゃぶ用(カタ肉)~ と
〔原産地〕~岐阜県産~ が記載されています。
例2)2010年5月9日(日曜日)に愛知県一宮市内の
スーパーマーケットで購入した 「豪州生まれの長崎育ち牛」
~ ワンポイントシールを見ただけではオーストラリアにおける飼養期間と
長崎における飼養期間のどちらが長いのかわかりません。
~ プライスラベルに、〔名称〕~牛しゃぶしゃぶ用(カタ肉)~、そして
〔原産地〕~長崎産~ と記載があるので、
オーストラリアよりも長崎での飼養期間が長いことがわかります。
(備考)プライスラベルに記載されている牛個体識別番号で当該牛の履歴を調べれば、
飼養地と飼養期間などがトレースできます。
実際に当該牛を調べてみたところ、
・ 出生地:オーストラリア
・ 出生日:2007年6月〇〇日
・ 輸入日:2008年5月〇〇日 (転入先:長崎県)
・ 屠畜日:2010年4月〇〇日
となっていますので、長崎県における飼養期間の方が長いことがわかります。
JAS法は
〔原産地〕=最も長く飼養された場所=と規定しているので、
この牛肉は長崎県産となります。
故に、~豪州生まれ長崎育ち牛~
というワンポイントシールを貼ったと思われます。
でも、食肉の仕事に就いている人ならともかく、
一般の消費者にはわかりにくい表示ですね。
さて、スーパーマーケットの牛肉コーナーに
並んでいるパック詰めされた牛肉を見ると、
ワンポイントシール、プライスラベルなどに
国産牛、黒毛和牛、国産黒毛和牛、
交雑牛、乳牛、肉専用牛、
松阪牛、飛騨牛、鹿児島黒牛・・・
などといろいろな表示が目につきます。
では、ここで問題。
国産牛と和牛は違うのか?
答えは、
~「牛肉」の表示 ~惑わされないようにしたいですね (その2)~
に載せる予定です。
そうなんですね!
勉強になります。
by rtfk (2010-12-05 05:43)
勉強になります ^^
一つ疑問なのは、豪州産の牛を輸入して国内で飼育することです。なんのため?単純に、そこまでしなくても、国内産の牛を育てればいいんじゃないかなと思ってしまいます。
by carotte (2010-12-05 08:40)
rtfkさん、そうなんです。オーストラリアで生まれ、長崎県で育った場合で、オーストラリアにおける飼養期間が長いと、オーストラリア産牛肉となります。
なお、平成16年9月14日に「生鮮食品品質表示基準」が改正される以前は、生体(生きた)牛を輸入した日から3ヶ月を超えて国内で飼養し、と畜した場合は国産として表示してもよかったのです。これはわかりにくいということで改正されました。
by wattana (2010-12-05 15:20)
carotteさん、牛だけに限りませんが、出生地と飼養 (育成)地がことなる家畜、水産物があります。牛の場合、子牛生産が得意な繁殖専門農家と肥育が得意な(成牛生産)専門農家という分業が進んでおり、出生地と飼養地が異なるケースが多々あります。
・岩手県生まれ岐阜県育ちの 「飛騨牛」
・宮崎県生まれの「松坂牛」
・等々
この分業が二国間にまたがる国際分業ともいえるのが、「オーストラリア生まれ長崎育ち牛」です。理由はオーストラリアの牛生産コストが日本よりも低いからです。安い子牛を輸入して、日本で肥育させ、国産牛で売るわけです。
by wattana (2010-12-05 15:35)
その2、から呼んでしまい、慌てて(その1)を読みました。
ふ~ん。そうなんや~っと。
いつも勉強になります^^。 ありがとうございます♪。
by celina (2010-12-06 23:02)
celinaさん、ご訪問ありがとうございました。
by wattana (2010-12-07 08:25)