深蒸し茶(深蒸し煎茶)で知られる静岡県掛川市の掛川城公園内にある「二の丸茶室」は、2002年(平成14年)3月に竣工した茶室・数寄屋造り研究の権威・中村昌生さん(1927~2018)が設計監理した公共茶室です。


~ 掛川城公園「二の丸茶室」の主屋。

「二の丸茶室」は、広間(十畳)、立礼席、小間「桔梗庵」(四畳半)から構成されており、茶事・茶会に貸室利用できる他、掛川城見学に訪れた観光客などのために呈茶が行われています。


和菓子の意匠―京だより

  • 出版社/メーカー: 京都新聞企画事業
  • 発売日: 2020/04/19
  • メディア: 単行本



さて、2020年1月23日(木曜日)午後0時50分頃、「二の丸茶室」を利用しました。この日の呈茶のご担当は煎茶道松月流の方でした。


~ 煎茶道松月流による煎茶席(床飾り)。


~ 煎茶道松月流による煎茶席(手前座)。

この日の和菓子の菓銘は「梅林」(コマツ菓子店製)でした。



「二の丸茶室」のスタッフに、「今日の和菓子(菓銘 梅林)は、例年なら季節を先取りする和菓子なのに今年は暖冬なので季節の先取り感がないですね。先ほど丸山製茶さんの『茶菓きみくら』の茶寮を利用したのですが、庭園には白梅が咲き始めていました。暖冬の今年はお菓子選びが難しいですね」と話すと、「ここでも立礼席の横の通路の紅梅が咲き始めています。」と教えてくださり、紅梅が咲き始めた通路、掛川市特産の葛布が天井に使われている立礼席、小間「桔梗庵」などを案内してくださいました。


~ 「二の丸茶室」の立礼席(天井に掛川市特産の葛布が使われている)。


~ 掛川城跡から採集した灯篭の笠を利用した蹲踞(つくばい)


~ 立礼席横の通路の紅梅が咲き始めていました。

♪ 菓銘を聞いて「お茶を楽しむ」 -(2)菓銘を聞いて楽しむ「和菓子」- へ続く。