桃山時代の武将で茶人であった古田織部が生まれたのは、美濃国本巣郡(現在の岐阜県本巣市)です。

本巣市(もとすし)からはすこし離れていますが、岐阜県多治見市にある「岐阜県現代陶芸美術館」において2014年9月6日(土曜日)から10月26日(日曜日)までの期間、「古田織部四〇〇年忌 大織部展」が開催され、大好評だったそうです。

「古田織部四〇〇年忌 大織部展」の様な派手な宣伝は行いませんでしたが、多治見市の隣にある土岐市の「土岐市美濃陶磁歴史館」においては、国指定史跡「元屋敷陶器窯跡」からの出土品 (※注①)を紹介しつつ美濃桃山陶を通して古田織部の生きた時代を再考するという土岐市市政60周年記念特別展「元屋敷窯と織部の時代」が2014年9月4日(木曜日)から11月30日(日曜日)まで開催されました。

(※注①)「元屋敷陶器窯跡」から出土した陶器および窯道具・窯材あわせて2,431点の出土資料が2013年(平成25年)に重要文化財に指定されたそうです。・・・「元屋敷窯と織部の時代」(土岐市美濃陶器歴史館発行)を参照しました。

「土岐市美濃陶磁歴史館」は「岐阜県現代陶芸美術館」と比べると、建物が古く小さな文化施設ですが、所蔵している重要文化財は多く、開催する企画展はけっしてひけをとっていないと思います。

「土岐市美濃陶磁歴史館」においては2015年2月22日(日曜日)までの期間、企画展「江戸時代における喫茶碗の変遷」が開催されています。

生産地における喫茶碗の変遷から、喫茶の大衆化と喫茶の方法の変化を紹介するという生産地ならではの企画展です。


~ 企画展「江戸時代における喫茶碗の変遷」のチラシです。




さて、2015年1月20日(火曜日)の正午前に、土岐市泉町久尻にある「織部の里公園」へ行ってきました。

「土岐市美濃陶磁資料館」から歩いて5分ほどの「織部の里公園」内には、国指定史跡古窯跡群「元屋敷陶器窯跡」(元屋敷窯、元屋敷東1号窯など)があります。


~ 国指定史跡「元屋敷陶器窯跡」。

全長約24メートル、幅約2.2メートル、燃焼室・燃成室14房の美濃地方最古の連房式登窯「元屋敷窯」は、圧巻です。





「織部の里公園」には古窯跡群の他に、株式会社松坂屋初代社長・伊藤次郎左衛門祐民さんが構築した
名古屋・覚王山の「揚輝荘」より2003年に移築された茶室「暮雪庵」がありますが、一般公開はされていません(8月を除く4月から12月の期間、茶会が月2回開かれています)。


~ 垣根の隙間から撮った茶室「暮雪庵」。

茶室「暮雪庵」は土岐市のホームページによると、建築年代は不明ですが、江戸中後期の久田流茶人・久田耕甫による扁額に刻まれた落款が残っているそうです。

茶室「暮雪庵」が移移築された時、裏千家13代家元・淡々斎による添書「千家名物 利休所持四方仏蹲踞」がある「四方仏蹲踞(つくばい)」も移されました。

「暮雪庵」にある蹲踞はレプリカで、本物は公園管理棟に展示されています。


~ 「織部の里公園」公園管理棟に展示されている利休所持の「四方仏蹲踞」と添え書き。

☆ 「織部の里公園」(岐阜県土岐市泉町久尻1246-1)
☆ 2015年1月20日(火曜日)午前11時50分頃利用