しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」を展開している
株式会社木曽路(本社:名古屋市昭和区)は8月14日、

 ~ メニュー表示と異なった食材を使用していたことに関するお詫びとお知らせ ~

と題する文書を同社の公式サイトに掲載しました。


同文書を読むと、同社が運営する「木曽路」3店舗において、
銘柄牛(松阪牛・佐賀牛)のしゃぶしゃぶ・すきやき等とメニュー表示していたにもかかわらず、
実際にはメニュー表示とは異なる和牛特選霜降肉を販売していたそうです。

この文書を発表した翌日の8月15日に行われた
同社社長などが行った記者会見について報じた全国紙などの記事を参照すると、
不適切なメニュー表示は3店舗の料理長が主導したもので、
店舗の最高責任者である店長は知らなかったそうです。


食材偽装 メニュー表示のグレーゾーン

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ぎょうせい
  • 発売日: 2014/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


  




木曽路といえば、
名古屋を代表する外食産業(喫茶店出身)の一つです。

原点は、
1950年(昭和25年)に名古屋・大須に開店した
席数24の「喫茶マツバ」。


~ 2010年8月11日に「木曽路岐阜店」で撮った写真です。

1966年(昭和41年)に1号店がオープンした「木曽路」、
今年7月末時点の店舗数は118店舗。


~ 同上。


さて、レストランなどにおける食品表示問題といえば、
昨年の秋にホテルなどのレストランにおける不適切なメニュー表示が
次々と発覚しました。

不適切なメニュー表示問題が多発したことを受けて、
今年3月28日にメニュー表示に関する「ガイドライン」の成案が公表され(※①)、
6月には「景品表示法」が改正(成立・公布)されました(※②)。


(※①)
 正式名は「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」です。

(※②)
 今年12月1日に施行される「改正景品表示法」のポイントは次の3つです。
  1.行政(国・都道府県)の監視指導体制の強化
  2.事業者の表示管理体制の強化
  3.課徴金制度の導入に係る検討規定


法律を改正させるほどの大問題になったにもかかわらず、
「木曽路」3店舗は不適切なメニュー表示を続けていたというから驚きです。

ただし、この「木曽路」3店舗における不適切なメニュー表示が
「景品表示法」が定める「優良誤認」に当たるかどうか、すなわち;

 松阪牛・佐賀牛とメニュー表示したにもかかわらず、
 実際に提供したのは和牛特選霜降肉だったことが、
 一般消費者が著しく優良だと誤認する表示に当たるかどうかは、

同法を所管する消費者庁と連携する「木曽路」3店舗がある府県の「景品表示法」担当部署が
どう判断するかによります。

なお、事業者の表示管理体制の強化の一貫として消費者庁(担当部署:表示対策課)は
木曽路が不適切なメニュー表示を発表する前の8月8日、

 ~ 不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項に基づく
   「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(案)」
   に関する意見募集の開始について ~

と題したプレスリリースを行いました。

長いタイトル、
何のことかよくわからないですね。

「改正景品表示法」の第7条は、

 ~ 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置 ~ 

を定めています。

この第7条の2項に基づく、
景品表示法順守のためのガイドライン(案)です。


基礎からわかる 新・食品表示の法律・実務ガイドブック Food Labeling Law and Practical Guidebook

  • 作者: 石川 直基
  • 出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン
  • 発売日: 2014/05/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)