2005年6月11日付の朝日新聞に

 「こだわりの喫茶店復興 味や雰囲気、サービスに工夫を凝らす」

と題した記事が掲載されました。

今から7年8ヶ月ほど前に書かれたこの記事に、こだわりの喫茶店として取り上げられたのは、次の3チェーンです。

① 椿屋珈琲店 (本社:東京都港区)
② 宮越屋珈琲 (本社:札幌市中央区)
③ コメダ珈琲店(本社:名古屋市東区)

「椿屋珈琲店」は、ブレンドコーヒーが一杯840円(税込、当時)の高級喫茶。

1996年(平成8年)にオープンした東京・銀座七丁目花椿通りの「椿屋珈琲店」を何度か利用したことがあります。

「宮越屋珈琲」は、宮越三兄弟三男の宮越陽一さんが率いる札幌を代表する喫茶店チェーン。

円山坂下「宮越屋珈琲本店」、パレードビルの「ホールステアーズカフェ」などを利用したことがあります。



さて、朝日新聞が取り上げた上記の喫茶店チェーンの2013年2月2日時点の店舗数を調べてみました。

① 椿屋珈琲店 : 31店舗(「茶房椿屋」、「面影屋珈琲店」などを含む)
② 宮越屋珈琲 : 27店舗(「ホールステアーズカフェ」などを含む)
③ コメダ珈琲店:484店舗(甘味喫茶「おかげ庵」7店舗を含む)

※各チェーンの公式サイトを参照しました。

上記の3チェーンの中で、上述の朝日新聞記事が書かれた2005年6月11日に比べ、店舗数を大きく増やし、展開する地域を広げたのは珈琲所「コメダ珈琲店」チェーンです。


~ 珈琲所「コメダ珈琲店」チェーンの総本山ともいえる「コメダ珈琲店 本店」(名古屋市瑞穂区上山町3-13)です。


コメダ珈琲店

「椿屋珈琲店」を運営している東和フードサービス株式会社は現在、いろいろな店舗ブランドの喫茶店を展開しています。

「宮越屋珈琲」は、朝日新聞の記事を参照すれば当時32店舗を展開していたそうですから店舗数が減ったことになります。


さっぽろ喫茶店グラフィティー

  • 作者: 和田由美
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  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


では、珈琲所「コメダ珈琲店」チェーンが店舗数を増やし展開地域を広げることができた理由は何なんでしょうか?

テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」が2012年7月26日、珈琲所「コメダ珈琲店」チェーンを取り上げました。

 「名古屋流で急成長! 客殺到の喫茶店チェーンの秘密」

というサブタイトルがつけられた番組の中で、珈琲所「コメダ珈琲店」の人気の理由として挙げられたのは次の3つのポイントです。

 ① ボリューム感
 ② 「おまけ」でお得感 (モーニングサービス、豆菓子、割引チケット)
 ③ 「長居」大歓迎 (豊富な新聞・雑誌、4人席を多く配置、相席無し、座り心地のよい
   ベロア地のソファ、目線が合わない仕切りの設置、シンプルな店員の服装)

ボリューム感については、下記の「クリーム小倉氷」をご覧いただくとおわかりになると思います。


~ 2010年6月21日(月曜日)に利用した「コメダ珈琲店 岐阜笠松店」(岐阜市茜部辰新1-60)で撮った写真です。

「コメダ珈琲店」のモーニングサービスとは、名古屋圏(愛知県一宮市・豊橋市、岐阜県岐阜市などの喫茶店激戦地を含む)のフルサービス型喫茶店としては量が少ない方ですが、

午前11時までにドリンクをオーダーすると、「トースト」(バターまたはジャム)と温かい「ゆで玉子」が無料(+0円)でついてくるサービス


です。


~ 2013年1月24日(木曜日)に利用した「コメダ珈琲店 本店」で撮った「モーニングサービス」です。

「コメダ珈琲店」の店内は、スペースを十分にとって席が配置されています。


~ 2011年3月7日(月曜日)に利用した「コメダ珈琲店 桜山店」(名古屋市瑞穂区瑞穂通1-1-6)の2階で撮った写真です。すわり心地のよいベロア地のソファ、各席には仕切りが設置されています。

一方、2012年12月28日付の朝日新聞デジタルに次の記事が載りました。

 「コメダでのんびり、全国展開中 名古屋の喫茶店チェーン」

「コメダ珈琲店」が名古屋圏だけでなく首都圏、関西圏でも人気があるのは、「のんびりできる」のが受けているからだとこの記事はまとめています。

「コメダ珈琲店」が広く認められるようになった最大の理由が何なのか言い切ることはできませんが、お客さまに「また来たい(=期待)」と思っていただくため、言い換えると常連のお客さまになっていただくための数え切れないほどの試行錯誤の繰り返しがあったと思います。

この試行錯誤の積み重ねの結果、多くのお客さまから居心地のよい「喫茶店」として認められるようになったのではないでしょうか。

でも、さらに居心地のよい「喫茶店」を目指してこれからも改良を重ね進化していかなければ、お客さまは離れて行くと思います。

珈琲所「コメダ珈琲店」チェーンを展開している株式会社コメダ(本社:名古屋市東区)が開示している情報「フランチャイズ契約の要点と概説」(2012年12月14日作成)を見ると、創業者(前会長)が1号店をオープンしたのは1968(昭和43)年1月、フランチャイズ1号店がオープンしたのは1970(昭和45)年2月、甘味喫茶「おかげ庵」(当時は「おかげ」)1号店がオープンしたのは、1999(平成11)年2月。

現在の店舗数は、珈琲所「コメダ珈琲店」が477店舗、甘味喫茶「おかげ庵」が7店舗で合計484店舗(2013年2月2日時点)。