神戸市営地下鉄西神・山手線の
「学園都市」駅から北へ5分ほど歩くと、
「流通科学大学」があります。

1988年4月に開学した大学で、
創設者はダイエーの創業者である
故・中内 功 (*注①)さんです。

(*注①)
 ‘功’は正しくは 「工偏に刀」です。

私は、
2008年2月21日 (木曜日)午後に
「流通科学大学」を訪ねました。

同学内にある
「中内功記念館」と 「流通資料館」を
見学するためです。

両館を見学した後、
2冊の本をいただきました。

1冊は
「中内功回想録」、
そしてもう1冊は
「ネアカ のびのび へこたれず 中内功言行録」で、
いずれも流通科学大学が
発行した本です。

「中内功回想録」は、
中内功さんが2005年9月19日に
逝去される直前まで
インタービュー/編集が進められていた
中内功さんご自身が語られた
‘中内功の歴史’です。

この本の中に
1970年にオープンした
日本で最初のハンバーガーチェーン
「ドムドム」が登場します。

日本でハンバーガーチェーンというと、
1971年7月20日に
銀座三越1階に第1号店がオープンした
「マクドナルド」が最も知られています。

この 「マクドナルド」1号店は、
米国マクドナルドと日本側による
合弁会社 (日米の出資比率50%:50%)が
運営していました。

日本側の出資者は
藤田田商店などですが、
米国マクドナルドが
提携の話を申し込んだのは
ダイエーの方が先だったそうです。

米国マクドナルドの提案は
出資比率50%対50%の合弁会社設立でしたが、
ダイエー社長の中内功さんは、
日本側51%、アメリカ49%を主張したそうです。

これに対し、
藤田田商店は
50%対50%を了承したそうです。

米国マクドナルドとの提携において
藤田田商店に先に契約された
中内功さんは、
「マクドナルド」の第1号店オープンよりも先に
日本で最初のハンバーガーチェーンとなる
「ドムドム」をオープンさせたそうです。

「中内功回想録」の246ページに
次の記載があります。

「セブンイレブンのほうは、ローソンで巻き返しを図られたわけですが、マクドナルドのほうは――」

と問われた中内功さんは、

ドムドムです。うちの社員に言わせると、「簡単だ、パテを焼いて、バンズのパンを焼いて挟むだけだ」ということでしたが、そうはいかんでしたな。やはり商品化するいうことは大変です。家でハンバーガーをつくるのは簡単ですが、均一の商品にして売るためには、やはりマニュアルがないとね。マクドナルドには、マニュアルが1万3千項目あるというんですからね。…略…

と答えています。

さて、
「ドムドム」は現在、
ダイエー子会社の
株式会社オレンジフードコートによって
運営されています。

「ドムドム」の
ホームページを参照すると、
店舗数は約100店舗で、
東海地方にある 「ドムドム」は現在、
2店舗だけのようです。


~ ダイエー今池店の1階にある「ドムドム 今池店」で買ったハンバーガーです。

株式会社ダイエーの
有価証券報告書に記載されている
大株主の状況を参照すると、
2010年8月31日現在で
イオン株式会社 (保有株数割合19.85%)が
ダイエーの筆頭株主です。

(備考)
 「中内功回想録」は、
 2009年9月19日に発行された
 「中内 功 生涯を流通革命に献げた男(中内功シリーズ)」の
 ~実像の 「中内功」~ に掲載されています。

中内 功 生涯を流通革命に献げた男 (中内功シリーズ)

  • 作者: 中内 潤
  • 出版社/メーカー: 千倉書房
  • 発売日: 2009/09/08
  • メディア: 単行本


☆「ドムドム今池店」
  (愛知県名古屋市千種区今池5-13-26 ダイエー今池店1階)
☆2011年3月14日 (月曜日)午後1時15分頃利用