株式会社コメダ (本社:名古屋市東区)が広域 (1都2府20県)で多店舗展開している珈琲所 「コメダ珈琲店」チェーンに代表される名古屋スタイル・フルサービス型の「喫茶店」の特徴の一つが、「モーニング・サービス」です。

「モーニング・サービス」とは、開店時間から午前11時頃までの時間帯に飲み物をオーダーすると、トースト・ゆで玉子などが無料でついてくる追加料金不要 (+0円)のサービスのことです。

珈琲所 「コメダ珈琲店」では、開店から午前11時までの時間帯に飲み物をオーダーすると、「トースト」と温かい 「ゆで玉子」がついてきます。


~ 2012年7月29日 (日曜日)午前7時10分頃に利用した滋賀県長浜市にある 珈琲所 「コメダ珈琲店 長浜八幡中山店」の「モーニング・サービス」です。

なお、「コメダ珈琲店」では、温かい 「ゆで玉子」を提供することがルールだと聞いています。冷たい (冷蔵保管されていた) 「ゆで玉子」が出てきたら、ルール違反になるようです。


コメダ珈琲店

個人経営の「喫茶店」においては、「モーニング・サービス」を一日中提供しているところもあるそうです。

また、トーストとゆで玉子だけでなく、サラダ、ヨーグルト、茶碗蒸しなどを無料で提供するお店もあるそうです。


~ 2012年9月20日 (木曜日)午前10時20分頃に利用した岐阜県関市小瀬にある カフェ・ド・ギャラリー 「アダチ」で本日のコーヒー (キリマンジャロ、税込500円)をオーダーしました。


~ トースト (玉子トースト・小倉トースト)、自家製プリン、そしてオレンジが無料でついてきました。



では、「モーニング・サービス」という無料サービスはいつ頃から始まったのでしょうか?

愛知県一宮市の「一宮モーニング協議会」が開設している「一宮モーニング」公式ホームページを参照すると、愛知県一宮市がモーニング発祥の地だそうです。

同ホームページに載っている

 ~ 「一宮モーニング」のルーツを探る! ~ 

によると、1956(昭和31)年に一宮では「モーニング・サービス」があったという証言があることから、一宮市では1956 (昭和31)年以前に「モーニング・サービス」が始まったと推定し、広島市のタカノ橋商店街にある喫茶店 「ルーエぶらじる」よりも古いとして、「モーニング・サービス」発祥の地だと断言しています。

一方、RCCラジオ (株式会社中国放送)のホームページに載っている2006年7月13日付の記事を見ると、喫茶店 「ルーエぶらじる」が、日本で初めて 「モーニング・サービス」を始めた喫茶店として紹介されています。

昭和32年に撮られたモノクロ写真に、木造二階建ての店舗、その前に ‘‘モーニング’’ と書かれた看板が写っているそうです。

この事実から、昭和30年前後に喫茶店 「ルーエぶらじる」では「モーニング・サービスが始まっていたと推定しています。

ところが、長谷川泰三さんが書いた 

日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた‐ カフエーパウリスタ物語 

という本の中に 「モーニング・サービス」に関する興味深い記述があります。



簗瀬は日本全国のパウリスタ支店に指示し、今日の喫茶店ではごく当たり前に行われている 「モーニング・サービス」を開始し、たちまち評判になった。さらに従業員の中から、珈琲事業のため海外派遣生を募り、ブラジルに派遣して勉強させたのも大正八年のことである。  (同書227ページから引用しました)

これが事実だとすると、最盛期の大正8~9年に店舗数が20数店舗だった日本で最初の喫茶店チェーンである「カフエーパウリスタ」が「モーニング・サービス」の元祖となります。


日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた―カフエーパウリスタ物語

  • 作者: 長谷川 泰三
  • 出版社/メーカー: 文園社
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 単行本


長谷川泰三さんが長年の調査に基づき書いた「カフェーパウリスタ物語」には、「モーニング・サービス」以外にも興味深い話がたくさん載っています。