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「彦根城博物館」への誘い ~徳川譜代大名筆頭 井伊家伝来の名宝の数々~ 〔滋賀県彦根市〕 [彦根城博物館]

国宝・彦根城が建つ彦根山(金亀山)の麓にある彦根城博物館は、1987年(昭和62年)2月11日に彦根市市政50周年を記念して開館したミュージアムで、その建物は彦根藩の政所であった表御殿を復元したものです。同館が所蔵する資料は9万1千件を超え、そのうち約4万5千件が井伊家に伝わる美術工芸品や古文書だそうです(参照:彦根城博物館のホームページ・パンフレット・展示解説シートなど)。

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~ 彦根城の内堀にかかる表門橋の先に彦根城博物館が見えます。

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~ 表門橋を渡った辺りで撮った写真、正面の建物が彦根城博物館の玄関。

彦根城博物館は、テーマ展・特別公開と常設展が行われる6つの展示室、移築復元された寛政12年(1800年)に建てられた「能舞台」(彦根市指定文化財)、藩主の居間や茶室などの「奥向き」を復元した木造棟、庭園などから構成されています。

展示室1においては2019年11月24日(日曜日)まで、テーマ展「井伊家の茶の湯-伝来茶道具をめぐる10の物語-」が開催されています。

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~ テーマ展「井伊家の茶の湯-伝来茶道具をめぐる10の物語-」が開かれている展示室1。

 ・会 期 :2019年10月25日(金曜日)~11月24日(日曜日)
 ・休館日 :会期中無休
 ・開館時間:午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
 ・観覧料 :一般500円(彦根城とのセットチケットもあります)
 ・アクセス:JR東海道本線・近江鉄道「彦根駅」より徒歩15分ほど

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~ 物語4「呂宋壺(るそんつぼ)」-宇治から江戸へ、運ばれた新茶-。

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~ 物語5「葵紋台子と天目台」-御成の茶道具-。

展示室2~6においては、譜代大名筆頭の井伊家伝来の大名道具を中心にとした常設展「ほんものとの出会い」が、「武家の備え」、「幽玄の美」、「数奇の世界」、「雅楽の伝統」、「風雅のたしなみ」および「古文書の世界」の6つのテーマに分けて行われています。

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~ 常設展「ほんものとの出会い」~テーマ「武家の備え」(井伊の赤備え・刀剣と武具)。

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~ 常設展「ほんものとの出会い」~テーマ「幽玄の美」(能面・能装束)。

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~ 特集展示「井伊直弼の茶の湯」。

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~ 常設展「ほんものとの出会い」~テーマ「雅楽の伝統」(雅楽器)。

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~ 常設展「ほんものとの出会い」~古文書が語る世界(井伊家の歴史)。





さて、2019年11月9日(土曜日)の午後1時15分頃、彦根城博物館へ行ってきました。今回のテーマ展関連企画として午後2時から講堂において開催される講座「10の物語でひもとく井伊家の茶の湯」(講師:同館学芸史料課 奥田晶子さん)に参加するためです。

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~ 井伊家伝来の茶道具の名品10点をそれぞれにまつわるエピソードとともに解説するという講座でした。

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~ 講座の配布資料。

奥田晶子さんの解説の中でもっとも興味をひかれたのは、物語8「古銅弦月釣花生」にまつわるエピソードです。

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~ 古銅弦月釣花生(江戸時代中〜後期)。

井伊家13代直弼がこの花生を安政元年(1854年)9月18日、彦根藩の下屋敷「槻御殿」の庭園「玄宮園」にあった茶室「流鶯軒」で開いた茶会で使ったことが「彦根水屋帳」に載っており、「花入 水はかり入れてくさりニて」との記載がある。この記載から、周囲に菊が植えられており「菊の茶屋」とも呼ばれていた茶室「流鶯軒」で行われた茶会当日は、菊が満開で菊を愛でる趣向から花生に花を生けなかったと思われる。侘びの茶に深く傾倒した直弼ならではの趣向だといえる。


「彦根城博物館」の木造棟には、藩主が用いた茶室「天光室」が復元されています。

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~ 復元された茶室「天光室」(立入禁止)。

茶室「天光室」においてお茶をいただくことはできませんが、能舞台が見える立礼席で呈茶が行われています。

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~ 呈茶代は、一服(薄茶と生菓子)500円です。

☆ 「彦根城博物館」(滋賀県彦根市金亀町1番1号)

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