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吉田日出夫さんのこと [スーパーの原点]

1957 (昭和32)年5月3日、
スーパーマーケット 「主婦の店大垣店」が
岐阜県大垣市にオープンしました。

日本で最初の 「主婦の店」です。

「主婦の店大垣店」に続き、
日本各地で 「主婦の店」という名前の
スーパーマーケットが次々と誕生しました。

この現象は
「主婦の店運動」と呼ばれ、
「主婦の店」は当時、
スーパーマーケットの代名詞だったそうです。

「主婦の店運動」には、
系統がいくつかありましたが、
吉田日出夫さんが率いた
「主婦の店スーパーマーケット全国チェーン」
(風車系 「主婦の店」チェーン)が
最大規模でした。

吉田日出夫さんは、
日本で最初のスーパーマーケット (*注①)と言われる
「丸和フードセンター」を1956 (昭和31)年3月10日、
福岡県小倉市 (当時)に開設した方です。

(*注①)
 1953 (昭和28年)12月に開設された 「紀ノ国屋」が
 日本で最初のスーパーマーケットだという説もありますが、
 スーパーマーケットを 「セルフサービス方式およびキャッシュ&キャリー
  (C&C、現金&持ち帰り)方式を採る総合食料品店」と定義すると、
 「丸和フードセンター」が日本で最初のスーパーマーケットになると思います。

私は、
吉田日出夫さんのことを調べるために
いろいろな流通関係の本を図書館で借り、
読みました。

しかし、
大学教授などの学者が書いた本には、
吉田日出夫さんについての記述は少なく、
詳しい記述があったのは意外な本でした。

それは、
ジャーナリスト、ノンフィクション作家の
佐野眞一さんが書いた

「カリスマ」 ~中内功とダイエーの「戦後」~

という本です。

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」

  • 作者: 佐野 眞一
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本


佐野眞一さんは、
「カリスマ」のなかで、
吉田日出夫さん、「丸和フードセンター」について
次のように書いています。

戦後流通史のなかで、丸和はある意味でダイエー以上に特記すべき存在だった。客が商品を入れるカゴを開発したのも、入口と出口を完全に分けたアメリカ流のスーパー方式を、入りにくく出にくいという客の苦情を聞いて間口を全面オープンにしたのも、中身がみえ、しかも経費があまりかからぬよう紙袋の真ん中にセロファンの窓をつけるなどの工夫をしたのも、すべて丸和だった。 (同書180ページ)

さまざまな “日本型スーパー”のノウハウを開発し、“主婦の店運動”を起こして全国の小売業者に強烈な衝撃を与えた吉田は、その華やかな前歴とは裏腹に、晩年はきわめてさびしいものだった。 (同書181ページ)


110514吉田日出夫.JPG
~ 吉田日出夫さんをよく知る方からいただいた色紙です。

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